野生のエゾ鹿と目が合いました。
彼はゆったりと池の水を飲んでいて、精悍な体躯と一対の立派な角に、私は目を奪われました。途中で私たちの存在に気づき、じいっとこちらに視線を送っていましたが、「ふん」みたいな様子をしてから、また黙々と水を飲み始めました。
なぜだかここは、ランギロアのようなのです。
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昨年11月に訪れた、ツアモツ諸島のファカラヴァ環礁。フレンチポリネシアでは、ランギロアの次に大きな環礁です。そこの南部に位置するテタマヌ。国際線が着陸するタヒチ島からさらに国内線に乗ります。有名なボラボラ島やモーレア島と違って、フライトは少なく、成田から到着して数時間のトランジットを耐えなくてはなりません。
そしてやっと着いたファカラヴァ空港から、さらに車で40分ほどかけて船着場へ。専用のボートで60~90分。一体いつになったら着くの?と思う頃、テタマヌは姿を見せてくれます。そこでの日々は、もう、まさしく竜宮城での日々です。
つづく……