雪虫と呼ばれる羽虫が空気中をひらひらするようになったのが、10月の終わりごろだったでしょうか。そして、家が雪景色に囲まれた最初の朝が、11月17日でした。必死なカメムシたちが懸命になって家屋の中にもぐりこもうとしている様子を、観察する毎日。暖かくてうきうきするのか(笑)、部屋のなかをぶんぶん大きな音をたてて飛び回る、パソコンの画面を横切っていく、タオルの裏に隠れる……などなど、昆虫好きの私もさすがにうんざりする頃、彼らも鳴りをひそめ。
長い冬が始まりました。外に出るときは、フードつきのダウンコートと手袋は必需品。足元はすべりにくい構造のハーフブーツ。
寒い。でも、雪がある寒さは、どこかマイルドで清らかで、私は好きなんです。もちろんここ虎杖浜が、道内でも暖かいところなので、こんなことを言っていられるのでしょうけど。
エゾシカの真っ白いハート型のお尻を見るのが好きです。エゾタヌキのふわふわした冬毛と、意外にどんくさい動きが好きです。鷹たちも木々の枝にとまっていました。見てみたいのは、エゾモモンガです。
家の前にあるもみの木。秋の間は、エゾリスのお気に入りの木になっていました。くるみの木が実を落とすので、拾っては木に駆け登り、くるみの実をほおばるのです。
銀世界の中で、もみの木は葉を落としません。ななかまどの実も赤い。モノクロの世界の赤と緑。
もみの木の葉は、冬の間どうなっているのだろう? 近づいてみました。
蝋のような物質で身を守っているみたい。不思議ですね。2月も半ばとなりました。これからは春への変化を、どんな小さなものでも見逃さずに歩きたいです。母なる地球よ、ありがとう。まだしばらくこの世界にいさせてね。