「ここいらはこんなに雪が降ることは滅多にない」と聞かされた前シーズン。しかし今季は、それをはるかに上回って、雪に塗れた日々でした。世界のあちこちで、「異常気象」という言葉が人々の口にのぼりますが、そのうちに「普通」なことになっていくのかもしれません。
その原因が地球温暖化によるものなのか、それともただあるがままの自然の姿なのか。知る由もないのではないでしょうか。赤道近くに住んだあとで北の地に暮らし始めて、そんなことをつらつら思ったりしています。
北の大地には魅了され続けています。地面を見ても空を見ても、飽きることがありません。短い夏から山々が化粧に余念のない秋、そしてあっという間に初雪を迎えて長い冬へ。雪雲、にじむ太陽の弱弱しい光。圧倒される雪。
そしてその下でじっと待ち続ける命たち。雪どけが始まると、勘違いしたカメムシだちが家の中で活動を始めてしまいます。まだ眠っていたほうがいいのに。
春を待ちこがれた大地では、にぎやかな生命の歌声がきこえてくるのでしょう。昨年はこの時期、東京で過ごしていたので、これからの毎日が楽しみで仕方ありません。
写真は、2週間ほど前に訪れた真狩村です。雪はどこまでも白く美しく、無言でうっとりするばかりでした。
夫婦でひっそりお祝いしたいことがあって、急に思い立って出かけたオーベルジュ。とても居心地のいい空間でした。また行って、羊蹄山を見ながらシャンパーニュを飲みたいな。
住んでいる場所から職場まで、すべって転ばないよう一歩一歩確かめるみたいに歩いた毎日も、もうすぐ終わりそうです。
Au revoir, l'hiver. Bonjour le printemps.